全盲みくりの黄色い道しるべ

中途障害で全盲に生まれ変わったみくりの日常をつづります。視覚障害者と晴眼者がつながる道しるべとなりますように☆

◆ 声掛けしたけど… 視覚障害者へどう声掛けしたらいい?

私は白杖歩行をしていて、たくさんの方にサポートしていただくのですが、
「視覚障害者に声掛けしたけど無視された」
「白杖を持った人に声掛けしたけどあれでよかったのかなぁ」
「せっかく声掛けしたのに断られた」
こういったサポート側の意見をネット上で見聞きすることがあります。
どうしてそうなるのか、どんな声掛けが良いのか考えてみました。

無視じゃなくてわからないだけ

知らない人に声掛けするって勇気がいりますよね。
特に白杖を持った人にはどうやって声掛けしたらいいんだろう?って、戸惑う方も少なくないと思います。
声掛けの言葉に迷って、「すみません」「あのー…」と言って声掛けされる方がいます。
でもそれだけだと、視覚障害者は自分が声掛けられているのか、他の誰かに話しかけたのか判断できないことがあるんですよね。
もちろん、距離や声量によっては自分だと確信できることもありますが、反対に声が小さかったり遠かったりすると単純に聞こえていないこともあります。
また、車の音やアナウンスを聞くことに集中していたり、道順をイメージして考え込んでいたりして気付けないこともあるんですよね。
少しでも目が見えていれば声のした方を見て確認できますが、全盲の場合はそれができないので結果的に無視したようになってしまうんですね。
声掛けしたけど全く反応してくれなかったという時は、気付かなかったのかな?と思ってくださると助かります。

どうやって声掛けをしたらいい?

声を掛けた方がいいのか、そっとしておいて大丈夫なのか、きっとタイミングに迷う方も多いですよね。
何度も立ち止まったり、キョロキョロしたりしている時は、今いる場所がわからなくなった、いつもと何かが違って状況がわからず困っている、とサポートをお願いしたい時です。
そんな様子を見かけたら、ぜひ声掛けをお願いします。
言葉としてはできるだけ具体的な方が良いですが、
「お手伝いすることはありますか?」
「何かお困りですか?」
まずはこう言ってもらえると、何となく私かなぁと想えますし、どんな状況でも当てはまるので、これ1つ覚えてもらえたら嬉しいです。
それから、話しかける時は前か横からが聞こえやすくて良いですね。
後ろからの声掛けは聞こえにくいですし、振り返っちゃうと元の進行方向がわからなくなってしまうこともあって反応しにくいんですよ。
これでも気づかれなかったら、肩を軽くポンポンしてもらえるといいかもしれません。

注意することは?

時々、声掛けをせずにいきなり腕を掴んだり、後ろから肩を掴んで誘導したりする方がいるんですが、びっくりするし状況がつかめず不安になります。
また、白杖を持って誘導しようとしたりする方がいますが、自分で足元を確認できなくなるのですごく怖いんですね。
声掛けをしていただければ、視覚障害者の方からどういったサポートが助かるか伝えられるので、まずは上に書いたような声掛けをお願いします。

ただし、道路に出ちゃいそう、線路に落ちそうっていう時は、無理やり引っ張ってでも助けていただきたいです!
ちょっと遠くて間に合わなければ「そこの白杖の方!危ないから止まって!」と、白杖の人に声を掛けてることがわかるように言っていただけると、それ以上進まず危険回避ができるかなと思います。

私の場合、呼びかけられたような声がしたら「ん?私?」と、とりあえず立ち止まって状況判断するようにしています。
たまたますれ違った人が電話口に大きい声だしただけとか、工事現場の人が仲間に指示出しただけっていうこともありますけどね。笑

お断りしても声掛けに感謝!

私自身、毎日のように声掛けしていただいていて、安心して歩くことができています。
見守ってくださる方、気にかけてくださる方がたくさんいるということですから、とても嬉しいです。
でも、慣れた場所で特別変わった状況じゃなければ、「あ、大丈夫です。ありがとうございます」と言って、サポートをお断りすることもあるんですよ。
自分で歩けるところは自分で歩いて、困っている時や危ない時は自分でどうにもできないのでサポートをお願いするっていう感じですね。
だから、決して拒否しているわけじゃなくて、サポートをお断りする時も気にかけてくださる方にはとても感謝しているんですよ。
もし断られても、困っていそうな時にはまた声掛けしてくださると助かります。

というわけで、あくまでも私の考えを書いてみました。
中には元々の性格の問題とか、障害を受け入れられてないとかで、失礼な対応をする視覚障害者もいると思いますが、声掛けに感謝している視覚障害者の方が圧倒的に多いはずです。
私もちゃんと感謝を伝えて、お互いにあたたかい気持ちで過ごせるといいなと思っています。
他の視覚障害者の方や、サポート側の経験談も共有で着たら嬉しいです☆