全盲みくりの黄色い道しるべ

中途障害で全盲に生まれ変わったみくりの日常をつづります。視覚障害者と晴眼者がつながる道しるべとなりますように☆

◆点字は独学で覚えました

私が突然視力を失ってから一番最初に勉強したのが点字なんですよ。
しかも、ほぼ独学で。
私がどうやって点字を覚えたのか紹介したいと思います。

点字が読めるのは視覚障害者の1割だけ!?

最近知ったことなのですが、視覚障害者の1割しか点字を使えないんだそうです。
すごく少ないように感じますよね。
でも以前の記事視覚障害ってどんな見え方で紹介したように、全盲よりもロービジョンの方が多いのですから当然かもしれません。
それに、今はスクリーンリーダーという読み上げ機能で、パソコンやスマホも便利に使える時代。
OCRという、画像から文字を認識する技術も高くなってきていて、点字が使えなくても何とかなるんですよね。

私自信、網膜剥離を何度も繰り返し、徐々に視野が狭くなってきていて、そのうち見えなくなるだろうなぁと思いつつ、全盲になるまでは覚えられませんでした。
拡大鏡があれば文字の読み書きに困らなかったんですよね。
でも、全盲になった途端、すぐに覚えましたよ♪

50音は数字を暗記して覚えた

全盲になるきっかけとなった最後の網膜剥離の時、2か月くらい入院してたんですよね。
体は元気だから退屈だし、なかなか見えるようにならないし、その間に点字を勉強し始めることにしました。
点字って、縦3×横2の6つの点で構成されているのは知っていますか?
6つの点には左上から下に1,2,3、右上から下に4,5,6とそれぞれ数字が割り当てられています。
なので、姉に点の数字を聞いて50音を覚えたんですよね。
50音のほとんどは、1,2,4の点の母音と、3,5,6の点の子音の組み合わせなので、ローマ字と同じ感覚で覚えることができましたよ。

それで早速本を読み始めました。
初めての本は『ぐりとぐら』。
視覚障害者じゃなくても借りれる点字の本を、姉が図書館でいくつか借りてきてくれて、その中の1冊だったんですよ。
L点字という大きめの点字だったので、初心者にはわかりやすくておすすめです☆
でも最初から「ぐりとぐら」の”ぐ”って濁点なんですよね。苦笑
濁点とか小さい”ゃ”とかは、前後の文字から予測したり、法則を教えてもらったりしながら、少しずつ覚えていきました。

仕上げは教材と訓練で

退院してから『中途視覚障害者のための点字入門』という本を買って、アルファベットや数字まで勉強しました。
学習教材みたいにガイドCDがついているから、それを聞きながら進めればポイントも実際に何手書いてあるかもわかるので、一人で勉強することができました!

最後の仕上げはリハビリセンターでの点字訓練。
通い始めた時に習得具合をチェックしてもらったところ、「すごい!ちゃんと読めてるから、どんどん本を読んでください」と褒めてもらいました。
結局読みは自分で習得し、書きだけ教えてもらうことになりました。
6点を全て打つ『め打ち』で打つ感覚に慣れたら、通所の度にちょっとした日記を書いていくっていう練習をしたんですね。
裏から書いて、表で読む点字は、読み書きで点の位置が左右反転するから、最初はかなり頭を使って大変でした。

いまだに”分かち書き”はわからない・・・

点字には”分かち書き”というルールがあります。
点字は全てひらがなで書いているような状態なので、時々1マスあけないと読みづらいんですよね。
基本的には文節ごとに空けるんですけど、名前に敬称が付いてる時には敬称の前でマスを空けるとか、助動詞はどうだとか、形容詞はどうだとか、とーっても複雑なんです。泣
だから、この分かち書きルールだけはいまだにおぼえられません。苦笑
まぁ言いたいことは伝わるし、自分のメモくらいしか書かないからいいんです♪

点字を覚えて良かったこと

最初に書いたように、パソコンやスマホが便利になってきたことで、点字を覚えなくても困らなくなってきています。
私も点字を使う機会はあまり多くありません。
でも点字の読み書きができれば、家の中の物を整理しやすくなったり、電車を乗る時にホームドアの点字で乗車番号がわかったり、トイレの流すボタンがわかりやすくなったり、役立つ場面はたくさんありますよ。
点字を覚えたいなと思っている方はぜひチャレンジしてみてください☆