全盲みくりの黄色い道しるべ

中途障害で全盲に生まれ変わったみくりの日常をつづります。視覚障害者と晴眼者がつながる道しるべとなりますように☆

◆初めて福祉教育に参加してきました

先日、初めて福祉教育で視覚障害のお話をしてきました!
自分の振り返りもかねて、報告したいと思います。

ぎゅっと内容の詰まった福祉教育

今回の福祉教育の対象は中学1年生。
他学年に車椅子ユーザー、同学年に聴覚障害児がいるということで、聴覚障害者と車椅子ユーザーとの合同福祉教育でした。

学校からのテーマは
・障害を理解し、思いやりの心を身につけて共に生活する
・障害やユニバーサルデザイン、バリアフリーを学び、実生活で生かす
といった内容でした。
それから、講話では日常生活の具体的な話を入れてほしい、できれば体験の時間も設けたいとの要望がありました。

私が担当したのは4クラス中の2クラスで、50分授業を2セットやった感じです。
50分で講話と体験ですから、かなりのボリュームです。苦笑

盛りだくさんな講話内容

体験課題の時間を確保するため、講話は30分におさめることにしました。
でも、話したいことがいーっぱいあるんですよね。
これにはかなり苦労しました。

実際に話した内容はこんな感じ
・全盲になるまでの経緯と視覚障害の概要
・視覚を補う他の感覚とスマホなどの機器
・家の中のユニバーサルデザイン
・包丁や火を使った調理
・白杖の役割と歩行の方法
・電車利用や買い物などの外出
・サポートが嬉しい場面とサポートの方法

うーん、箇条書きにしてみてもやっぱり盛りだくさんだ。苦笑
でも、視覚障害当事者ならこれでも最小限と思ってくれるかな。
本当は趣味の話とかして、不便なことばかりじゃないと伝えたかったんですけど、それは別の手段で伝えることにしました。

思わぬハプニング!

講話の30分間ずっと話を聞くのは集中力とかどうなのかなぁと思って、途中で生徒1名に体験してもらうことにしました。
内容は、ティーバッグの入った容器を使って、視覚以外の感覚から情報を得るというものです。
・容器を机に置いた音で、容器の材質や重量、位置を予測。
・音を手掛かりに手さぐりで容器を探し、蓋を開けて、中身が何か予測
・ティーバッグの匂いからフルーツティーの何味かを予測
といった感じです。
それから、スマホの文字認識アプリを使って、ティーバッグに書いてある文字を読んで何味か答え合わせをしました。

ところが、ここでハプニング!
講話中に通知が来ないようにと、機内モードにした状態で文字認識アプリを起動させたせいか、使用権限を確認するようなエラーメッセージが出ちゃったんです。。
もう、焦って焦って元に戻れない!
焦ってるせいか他のアプリもうまく活用できなーい!
結局諦めて、すっ飛ばしながら何とか時間内に講話を終わらせ、全員での体験課題が終わったあとにちょっと実践してみせたのでした。笑

体験課題はガイドと署名

皆でやる体験課題は2つ行いました。
・手引き誘導で移動→物を落として拾う→机を一周回って着席
・折り紙で犬を折る→アイマスクをしてガイドを頼りに顔の書入れ→裏に署名
というものです。
アイマスクしての歩行と手引き誘導は必須ですよね。
そこに、伝い歩きと落とし物という実践的な内容を盛り込みました。
あとは折り紙で楽しみつつ、実生活でたまにある、手の感覚だけで文字を書く体験をしてもらったんですよね。

「ちょっと待って、今どこ!?」
「えっ、ここでいいの?」
なんて、ちょっと不安そうな楽しそうな声がたくさん聞こえてきました。

点字のショートエッセイを置き土産に

事前に生徒から質問をもらっていたんですけど、講話に盛り込めなかったものは点字で書いて置き土産にしました。
日本と海外の違いとか、メイクの仕方とか。
点字を触ってもらう時間もないし、ちょうどいいかなって思ったんですよね。
ついでに、音声ガイド付きの映画やブラインドスポーツで楽しんでいることも書きました。
休み時間に50音表とにらめっこして読んでくれてたらいいなぁ。
一応、先生には墨字(点字ではない文字)を渡しましたよ。

ハプニング込みで良い経験に

実はまだ生徒たちの感想が届いていないので、成功だったかわかりません。
実際ハプニングもありましたからね。苦笑
でも、何とか乗り切れて自信がついたし、次回からはスマートにフォローできるはずです。
あと、ブログのまとめる力が生かされたり、目の前の人に伝えた時の反応が今後のブログに活かされると思うので、私自信が成長できる良い経験となりました。

それに、私が福祉教育で話すことで、少しでも視覚障害を知ってもらえる、興味を持ってもらえるって嬉しいことですよね。
中学生の今は勇気がなくてサポートできなくても、大人になって思い出した時にサポートできるかもしれないし、今回の体験を聞いた家族がサポートしてくれるかもしれない。
もちろん障害者に対してだけじゃなくて、身近な人がちょっと困っている時に手を差し伸べられるようになるかもしれないですよね。
そういった、思いやりの輪を広げるきっかけの1つになれてたら嬉しいな。