全盲みくりの黄色い道しるべ

中途障害で全盲に生まれ変わったみくりの日常をつづります。視覚障害者と晴眼者がつながる道しるべとなりますように☆

◆視覚障害者の買い物事情 外国人店員×全盲

先日、仕事帰りにコンビニへ行ってきました。
ちょっと大変で、ちょっとおもしろかったというお話です。

全盲の人はどうやって買い物するの?

視覚障害者にとって買い物は、日常生活で不便なことの1つです。
ロービジョンの頃は、1つずつ手に取って顔に近づけたり、スマホカメラで文字を拡大したりしながら、探すのも選ぶのも時間をかけて何とかやってました。
でも、視力が無くなった今、好きな物を好きな時に買うというのが難しいんですよね。

全盲の人の買い物手段は大きく4パターン。
①ネットショッピングで自分で買う
②一人でお店に行って店員さんにサポートしてもらう
③誰かと一緒に買いに行く
④誰かに買ってきてもらう

数字が小さいほど自分でできて、数字が大きいほど誰かのサポートが必要って感じですね。
私は実家暮らしなので③と④が多いのかなあ。
買いたいものやタイミングによって買い物手段を変えてます。

1人で買い物に行く時のポイント

1人で買い物に行く時は店員さんにサポートをお願いするので、いくつか意識しているポイントがあります。
(1)広すぎないお店に行く
お店に入ったら、まず店員さんに声を掛けないと買い物が始まりません。
お店が広いと、店員さんがいるであろうレジまでたどり着くのが大変で、気付いてもらうのも難しくなるんですよね。
また、広いと店内を回るのに時間がかかって、店員さんを長く拘束してしまいます。
(2)込んでいない時間に行く
店員さんにサポートしてもらうということは、その間は通常業務ができなくなってしまうんですよね。
なので、込んでいる時間帯は避けるようにしています。
(3)できるだけ具体的に買う物をきめておく
商品情報や類似商品、値段など、説明してもらう量が多くなるほど時間がかかるし、何よりサポートする人が疲れてしまいます。
新発売や割引の商品はその場でしかわからないですが、どんな物が欲しいか、できれば具体的に商品を決めて商品名を把握しておくと、サポートする人の説明が少なくなり、探すだけで済むのでスムーズに買い物ができます。

外国人店員×全盲の買い物

さて、今回買い物に行ったのは駅構内のコンビニです。
普段通勤で利用している駅なので、コンビニまでの移動は全く問題ありません。
買いたいものは、夜ご飯用にサラダチキンとパスタサラダorおにぎり、朝ご飯用にパンとカフェオレです。
パンはコンビニのホームページからいくつか目星をつけておきました。

まずはレジに向かって
私「すみません。いくつか買いたいものがあるんですけど、手伝ってもらっていいですか?」
店員「はい。」
(あっ、外国人店員さんだ。)
実はこのコンビニ、外国人店員さんしかいないことが多いんですよね。

私「サラダチキンってありますか?」
店員「これですか?」
私は手を伸ばして触らせてもらいます。
私「はい。これって何味ですかね?」
店員「……」
私「種類ってわかりますか?」
店員「サラダチキン…ハーブ」
私「じゃあそれでいいです」
他に何味があるか気になったけど、好きな味だったから聞かないことにしました。

私「次、ペットボトルのカフェオレってありますか?」
店員「これですか?」
触らせてもらうと…
(ん?これ小さい牛乳パック?あーグリコのカフェオレかな)
私「えっと、ペットボトルのやつありますか?craft Bossとか…」
店員「これですか?」
触らせてもらうと…
(丸い…今度は円錐パックのグリコのカフェオレ?カフェオレ=グリコなの?笑 ペットボトルって伝わらないのかな。)
店員さんの近くに行って適当に扉を開き、ペットボトルの飲み物を探してみることに。
私「これ…」
店員「これはお茶です。」
私「こういう入れ物のカフェオレってありますか?」
店員「カフェオレはないです。カフェラテならあります。」
(えっ!?そういうこと?)
私「あっ、それでいいですー!」
店員「これですか?」
触ってみると、とりあえずペットボトル。
私「はい。これでいいです」
(中身はわかんないけど、カフェラテって言ってたから大丈夫だよね。というか、私はよくわかってないけど、外国の人からするとやっぱりカフェオレとカフェラテって違うんだなぁ。ペットボトルがわかんないんじゃなくて、私が悪かったのか。)

私「あとメロンパンありますか?」
店員「はい、これですね。」
目星をつけていたパンとは違うけれど、いつでもあるパンの方がわかりやすいかなと変更。
この数日前にほかのコンビニのメロンパンを食べていて、食べ比べできていいかっていうのがあったんですよね♪

私「これでいいです」
店員「じゃあこっちです」
本当はパスタサラダかおにぎりも買う予定だったけど、説明が大変だったので諦めちゃいました。
その後お会計をして買い物終了です。

言葉で説明しないと買い物ができない全盲の私にとって、外国人店員さんとの買い物は大変です。
でも、英語が全くできない私からすると、この外国人店員さんはすごい!
いつも、困らせちゃって申し訳ないなぁと思いながら手伝ってもらっています。

家に帰ってからカフェラテを飲もうとペットボトルを触ったら何やら凹凸が…
『craft Boss』と書いてありました!
結果的に欲しい物が買えていて、楽しい買い物となったのでした♪