全盲みくりの黄色い道しるべ

中途障害で全盲に生まれ変わったみくりの日常をつづります。視覚障害者と晴眼者がつながる道しるべとなりますように☆

◆新しい声、覚えられるかな?

 

新年度が始まり、皆さんいかがお過ごしでしょうか?
色々と環境の変化がありますよね。
私の場合は新入職員との出会いです。
さて、視覚障害者はどうやって新しい人を認識していくのでしょう。

基本は声で判断

全盲だと容姿の特徴は手掛かりにならないので、基本的には声で人を認識します。
声といっても高さとか声色だけじゃなくて、滑舌とかイントネーション、口癖や言い回しも手掛かりになります。
特徴があるほど覚えやすくて、知っている人の声に似ているのもいいですね。
たまに「声だけでよくわかるね」って言われますが、皆さんも後ろから呼ばれた時、ラジオや音楽の声を聞いた時など、容姿が見えなくても誰かわかったりしますよね?
きっと同じように、こういった手掛かりから誰の声かを判断していると思います。

新年度は知らない声がいっぱい


私が働く部署には、新年度になると毎年5人以上の新入職員が入ってきます。
一気に知らない声が増えるんですよね。
私はフルタイムで働いていないから自己紹介を聞く機会がないし、仕事での関わりがほとんどないので、なかなか覚えられません。
でも、時々サポートしてもらうことがあるし、そうじゃなくても全員わかるようにしたいですよね。

今年は3月から2人、4月から5人の新入職員が入ってきました。
私が職場で新しい人を覚える時はどうしているか。
直接話す機械があれば名前を聞きます。
知らない声が聞こえてきたら、「今の声って誰ですか?」と周りの人に聞いて名前と声をセットにしてデータを増やします。
ちょっとわかるようになったら「今の○○さんですか?」「正解!」ってクイズを楽しみながら覚えていきます。

でも、似たような声がいるんですよね。。
全盲になって復職してから2年弱経ちますが、誰かわからない声が6人います。苦笑
一緒に仕事をするわけじゃないから、本人にも周りの人にもしつこく聞けないんですよね。

声以外の手掛かりもいっぱい

仕事中、ちょっとサポートをお願いしたい時、特定の人に話しかけたい時、できれば相手が誰なのかわかった状態で話しかけたいです。
でも、私の職場は決まったデスクがないので、決まった方向に声を掛ければその人がいるというわけではありません。
管理業務をしている上肢ですら時々場所が変わるんですよね。
何かしら会話があれば誰がどこにいるかわかりますが、仕事中ですからもちろん静かな時もあって少し困ります。
そんな時は、キーボードを叩くリズムや強さ、マウスを押す音、歩いてきた時の足音、咳払いやくしゃみの仕方が手掛かりになります。
誰か認識している状態で何度も聞いていると、だんだんわかってくるんですよね。

ちなみに、声が認識できていない6人も条件が揃えばわかることがあります。
例えば、Aさんをあのあだ名で呼んでるから、Aさんと同期のBさんかなとか。
Cさんとよく話をしているから、仕事でチームを組んでるDさんかなとか。
知らない女性の声でこっちのロッカーを使っているからEさんかなとか。
やっぱり声や話の内容が基本にはなるんですけど、相手や場所の条件がプラスされて判断できることもあるんですよね。
こうやって名前と声のデータを増やして覚えていくこともあります。
それでもはっきりわからない人が6人もいるという、残念な話なんですけど。苦笑

さて、今日が新年度初出勤!
今年は全員わかるようになるのかなぁ。
新入職員がどんな声か楽しみです。