全盲みくりの黄色い道しるべ

中途障害で全盲に生まれ変わったみくりの日常をつづります。視覚障害者と晴眼者がつながる道しるべとなりますように☆

◆私が全盲になるまで

全盲だからこそ伝えられる情報を発信したいとブログを始めたみくりです。
今日は私はなぜ、いつ全盲になったのかお伝えしていきます。

生まれた時は…

私は生まれた時から強度の近視だったんです。
幼稚園の先生が異変に気付いてくださって、両親に受診を薦めたそうです。
両親は「この子はよくテレビにくっついて離れないよね」ってくらいに思ってたとか(笑)
それからは瓶底メガネと言われるような分厚いメガネをかけるようになりました。
物心つく前から分厚いメガネをかけていたんですね。
でも、(自分はちょっと目が悪いんだ)ってくらいで、特に不自由を感じることなく過ごしていました。
クラスに数人いるメガネかけた子って感じですね。

目の病気で苦労した中学時代

転機となったのは中学1年生の冬のこと。
ある夜、ゲームをしていたら左目に紐のような影が現れ始めたんです。
次の日には視界の一部が黒い影で覆われました。
病院に行くと”網膜剥離”という病名を告げられ即入院、翌日には手術することになったんです。
無事に手術が終わり退院してから数日後、今度は右目が網膜剥離になりました。
何度も再発を繰り返し、やっと落ち着いたのは中学3年生の夏でした。
15回くらい手術したかなぁ。

その頃には右目がわずかに光を感じる程度、左目は矯正視力で0.6になっていました。
また、再発を繰り返すうちに網膜の一部が再生されなかったり、眼圧調整が不十分で緑内障を併発したりして、視野はどんどん狭くなっていきました。
また、再発率を下げるためにカメラレンズの役割をする水晶体も切除していたので、近くも遠くもピントが合わなくなり遠近両用メガネやルーペを使うようになりました。

中学生で片目が見えなくなったわけですが、この時はあんまりショックを受けなかったんですよね。
不自由さはあっても、できないことはなかったからでしょうか。
何と言っても中学生の生活範囲ですからね(笑)

全盲になったのは突然だった

高校、専門学校を卒業し、社会人になって数年が経った2018年の夏。
朝起きると視界が暗い。見えてはいるけど暗かったんです。
病院へ行くと「眼底出血だね。様子見て2週間後、いや一応1週間後に来てください。」と言われました。
1週間経たないうちに視界は真っ暗となりました。
(2週間って言ってたくらいだから一時的にこうなるものなのかな。1人じゃ病院行けないしちょうど1週間になる日は親が休んでくれるからそこで連れてってもらおう。)
これが失敗でした。

次に病院へ行った時には「網膜剥離になってますね。大きい病院紹介しますのでそちらに行ってください」と言われ、紹介先の病院に即入院、翌日手術となりました。
でも今度は手術しても見えるようにはならなかったんです。
3回くらい手術しても視力は戻らず、光を感じることもできなくなりました。
網膜剥離が重度だったことに加え、今まで何回も手術してきたダメージが大きかったようです。

全盲になった時はかなりショックだった

私、高校を卒業する頃にはもう再発しないかなって思ってたんです。
ただ、視野狭窄は進んでるし、視力も落ちていっている。
右目は光を感じることもできなくなってきた。
だから(”そのうち”失明するかもしれないなぁ。)と漠然と考えていました。
(見えてるうちに色々やりたいな。)
(早く結婚して子育てしたいな。)
そう思ってはいたけれど、まさかこんなに早く、しかも突然見えなくなるなんて想像していなかったんですよ。

手術をして1週間経っても2週間経っても全然見えるようにならない。
(これからどうやって生活していけばいいんだろう)
(どこまで自分でできるんだろう)
(仕事はどうしたらいいの?)
(結婚はできるのかな?子育てってできるのかな?)
そうやって将来が見えなくなって、悩んで、焦って、たくさん泣きました。

◆つまづきながらも前向きになれた

私は、色んな障害を持つ方が楽しく生活していること、視覚障害者同士が結婚して子育てしていることを全盲になる以前から知っていました。
だから、落ち込む一方で”なんとかなる”とも思っていたんです。
家族や友人、リハビリ施設の職員や同行援護のヘルパーにたくさんのサポートをしていただき、自分でできそうなことはどんどん挑戦しました。
将来がどうなるか不安で焦っていたので、とにかくできることを増やしたかったんですよね。
できることが増えると嬉しくて、うまくできないとまた落ち込んで。
そうやって繰り返すうちにできることが増えていって、少しずつ前向きになれました。
リハビリ施設で同じような状況の方と知り合って、体験談をたくさん聞けたのも大きかったですね。

私が(なんとかなる)と思えたように、このブログも前向きになれるきっかけのひとつになれたら嬉しいなぁ☆